石叫■         「東北関東大震災」そのA

3月17日のラフ新報のフロント・ページに「なぜ日本では略奪ないの?」《驚きと称賛》という記事が載った。東日本大震災の被害や福島県第一原発事故が連日、トップニュースで伝えられている米国で、被災者の忍耐強さと秩序立った様子に驚きと称賛の声が上がっている。「なぜ日本では略奪が起きないのか」。米国メディアは相次いで、議論のテーマに取り上げている。CNNテレビは、2005年に米国で起きたハリケーン・カトリーナ災害や2010年のハイチ大地震を例に「災害に付き物の略奪と無法状態が日本で見られないのはなぜか」として意見を募集。視聴者からは「敬意と品格に基づく文化だから」「愛国的な誇り」「自立のチャンスを最大限に活用する人々で、進んで助けたくなる」とのエールも寄せられた。日本国内では混乱に乗じた窃盗事件なども伝えられ始めたが、ABCテレビは仙台市内のスーパーやコンビニ前で、静かに整然と並ぶ住民の長蛇の列や、節電のために自主的にネオンが消された都内の繁華街の様子を伝えている。その上で儒教や封建社会の歴史の影響や助け合い精神の文化をめぐる専門家の見解を引用した。またニューヨーク・タイムズ紙のクリストフ元東京支局長は同紙のブログで、阪神大震災時の冷静な反応を振り返り、「我慢」という日本語を紹介「われわれも日本から学ぶべきだ」と主張するとともに、「同情の気持ちと深い尊敬の念を表したい」とコメントしている。

1992年4月、ロサンゼルスで暴動が起った。ロドニー・キング裁判に対する不満が原因であった。それによって略奪が起こり多くの被害が韓国人街と黒人街に及んだが、35年前のワッツ市の暴動もやはり同様であったという。

何かが起った時、いつ暴徒と化してしまうか分からないのがこの世界である。それだけに無法状態にならない日本というのは、むしろ異常に映ったのであろう。それは何も日本人が偉いからでも優れた民族だからでもない。しかし周りに迷惑をかけないための「配慮」はこの場合、大きく作用する。かつて伊豆大島で三原山噴火のために総員退避命令が出た時に、お年寄りは残ると言い張った。しかしその時に彼らを救出する消防団員は秘策を持っていた「周りに迷惑をかけちゃいけない」という殺し文句を!それが総員退避させた要因だった。

ローマ書12章15節でパウロは、「喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣きなさい」と、信仰者のあるべき姿を記すが、これこそ隣人と心を一つにするという愛の配慮である。今回の国難こそ愛する祖国への配慮に徹したいものである。