石叫■          「タイガーマスクの原型」

 1月26日付けの『羅府新報』「磁針」欄に「ヒーローからの贈り物」というタイトルのコラムが載った。そこはいつも楽しみに読んでいる箇所である。

 今日本で、漫画「タイガーマスク」の主人公「伊達直人」名乗る匿名の寄付が全国の児童養護施設などに相次いでいるという。事の発端は、昨年のクリスマスのことである。群馬県の中央児童相談所の玄関先にランドセル10個が突然届けられた。送り主はサンタクロースならぬ「伊達直人」。「子供たちのために使ってください」とのメッセージが添えられていた。原作の中の伊達直人は児童養護施設で育つ。覆面レスラーとなった後、優しい素顔を仮面で隠し、施設や経営難を救うために、試合で得た報酬を施設に送るという物語だ。年が明けて、寄付の動きは拡大する。正体明かさぬ人物からの寄付に「感銘しました」という旨の手紙とともに、47都道府県の児童相談所や警察に「伊達直人」の名で文房具や食品、現金などの贈り物が連日届けられているというのだ。感動が感動を呼び、全国の「伊達直人」からの寄付は「タイガーマスク現象」となって日本中を席巻している。ところが変わって、ロサンゼルスには毎年クリスマスにサンタクロースが現われる。元弁護士の初老の紳士が、サンタクロースを意識してか赤いセーターに身を包み、クリスマスの夜になるとダウンタウンのスキッドロウにあるホームレス施設で、およそ三千人のホームレス一人ひとりに十ドル札を手渡していくという。ホームレスの人々がみせる感謝の念に心動かされたという。三十年間毎年欠かさずにこの寄付を続けているという。

世知辛い世の中でも、心温まるニュースに多くの人が「世の中捨てたものじゃない」と感じられたのではないだろうか。そして、ヒーローは漫画の世界だけでなく、私たちの日常の生活の中にも潜んでいるのだ。もしロサンゼルスに「伊達直人」が海を渡って現われましたら、羅府新報までご一報下さい。

ローマ書12章には「寄付する者は惜しみなく寄付し…慈善をする者は快く慈善をすべきである」(8節)と記されている。聖書は私たちの持てるベストを尽くして寄付・慈善をするようにと薦めている。私たちに与えられたものは、この命を含めて、すべて神から与えられたものであるから、それを自分だけの所有にしてはいけないのである。それは何よりも主イエスが、ご自分の命を十字架に捧げて下さったほどに私たちを愛されたその愛を示すためである。それがタイガーマスクの本来のあり方ではないのかと思うのだが、いかがであろう。