石叫■         「インディアナポリス 」その@

今、この原稿を晩秋のインディアナポリスの郊外、グリーンウッドにある東洋宣教会の本部の宿舎で書いている。グリーンウッドとは、訳せば青森ということになろうか。そんなこともあり、ここは僕には何だか懐かしさを覚える原風景でもある。ここに来たのは、北米ホーリネス教団のアーカイブ(古文書)の発掘をするためである。ここの一人のロジャー・スキナー副代表が様々なアレンジをして下さって、今回の旅が可能になった訳だが、その切っ掛けが数ヶ月前に溝口俊治先生と行ったジュン・スミダ夫人宅でのある発見であった。

スミダ夫人は、中田重治という日本ホーリネス教団監督のご長男、羽後氏のご長女である。彼が北米ホーリネス教団創立の立役者である。そこでジュン夫人が九十年前に教団創立者たちが始めたハリウッドにあるトリニティ教会のコピーを見せてくれたのだった。「つい最近、これがグリーンウッドに居る友人から送られてきたのよ」と言う。それはこれまで誰も見たことのない写真であった。その教会の玄関先に立つ先達の写真は見知ってはいたが、建物全体のものは無かったのである。そこで溝口先生と、「これは本部に行って、当時の文献を探って見なければ!」とお互いに顔を見合わせ、今回の旅となった次第である。

さて、ここに来て見ると、スキナー先生がよ〜くアレンジして下さっていて、私のために彼の横にデスクを準備して、倉庫にあったアーカイブを既に何箱か机の上に持ち出して下さっていたのだった。そのほとんどが英文ということもあり、全部に目を通すのに丸一日掛かかってしまった。前日はレッドアイという夜行便で飛んだため、その夜はほとんど寝ていなかったのだが、今まで見たこともない貴重な写真や情報が手に入ったこともあり、ウトウトする間もないほどであった。もっともスキナー先生がすぐ横で仕事をしていることもあり、大きな部屋をつい立で仕切っているだけのデスクということもあり、またひそひそ話しもすべて回りに聞こえてしまうということもあって、いびきを掻くことも、机に伏して眠ることも出来なかったというのが本当なのであった! 

聖書に「努めて旅人をもてなしなさい」(ローマ12:13)とある。その人の立場に立って行動しなさいという意味である。スキナー先生は「ここまでしてくれるか!」と思うほど、心憎いばかりの配慮をして下さった。その夜は緊張しているせいか、あまり寝付きが良くなかった。キャンプのように、ごつごつした寝床だったら、ぐっすり眠れたものをと、自分自身に愚痴を言いながら!