石叫■         「ホッ」とさせてくれる人

 今年の四泊五日のヨセミテ・ファミリー・キャンプには八名の参加者があった。例年よりは少ないが、それだけにより濃い交わりができて感謝であった。

僕はこの二年間、ヨセミテには行かなかった。八年近く待っている家内の腎臓の移植がいつなのかが分からなかったからだが、二十年以上にわたる長期間の心臓移植に関わる薬用弊害のために、抗体ができてしまっている家内の体では、腎臓の移植はまだまだ先のようで、今年は思い切って出かけることにした。

今回のヨセミテ・キャンプで幸いだったのは、鵜飼優子さんがお父さんと一緒に参加してくれたことだった。彼女が参加することは僕の長い間の祈りでもあった。彼女はカナダから二十年ほど前に移住して来られた。しかし、幼くして病を患って以来、歩行が若干不自由であった。そのような中にある彼女に僕自身が感激している世界を是非とも分かち合いたいと願っていた。もちろんカナダの超大自然を何度も経験してはいる彼女であるが、ヨセミテの醍醐味もまた格別であろうと思うからだ。今回はヨセミテ近郊を知り尽くしているツアー・ガイドの男性も参加してくれたので、キャンプ三日目には彼にハイキング希望者の一行をお任せして、僕は優子さん父子と一緒に行動することにした。

彼女のペースに合わせてヨセミテ・ヴァレーをシャトル・バスで周遊したり、ブライダル・ベール滝やヨセミテ滝まで歩いたりして一日を過ごした。実は彼女は歩くのが早い。ただ坂道や段差があると、手を取って支えなければならないのだが、そのような時はいつもお父さんがそばいてすぐに手を差し伸ばすのだった。それが実に自然で麗しかったのである。日ごろお父さんが優子さんにどのように接しているのかが、こういう時に見えてくるというものである。

その優子さん、キャンプの間、絶やすことなく笑顔で皆を和ませてくれた。ギブスをはめていることもあり、歩くことも長時間のドライブも辛いであろうに! でもその笑顔が終始私たちの心を「ホッ」とさせてくれたのである。

テトス書に、「だれをもそしらず、争わず、寛容であって、すべての人に対してどこまでも柔和な態度を示すべきことを、思い出させなさい。」(3章2節)とある。私たちは誰に対しても、どこまでも優しく接するように神は命じておられる。優子さんの笑顔がキャンプに参加した者たちを励まし、心を和ませ、一つにしてくれたように、あなたの優しさがどれほど周りを「ホッ」とさせることだろうか。あなたのこぼれるような優しい笑顔を私たちは必要としている。