石叫■             「柵春夢」

 今年2月に始まったラフ新報の「柵春夢」が楽しく、読む者の心をとらえる。

「孤立主義をとって開戦に慎重だった米国議会に、ヨーロッパ戦線が有利なうちに参戦したいと考えているルーズベルト大統領は苛立っていた。こちらに隙を見せながら日本を窮地に追い込めば三国同盟の一員である日本は必ずこちらに奇襲を仕掛けてくる。開戦へと誘導する確実な口実を捏造して、米国民に戦争参加を認めさせるにはこの方法しかなかった。外交交渉が決裂すれば、窮地に追い込まれるのが確実という日本の立場を見越して、12月26日になんとも強引な対日通告を付きつけたのだ。いわゆるハル・ノートである。片や刻々と日本側の暗号伝聞は傍受されていたのだ。だが、このような傍受電文はおろか、司令官の判断に欠かせない対日通告の内容でさえ、味方である太平洋艦隊のキンメル司令長官に知らせていない。ハワイに集結している太平洋艦隊が非常時体制に入れば、こちらの隙をなくしてしまって日本側が奇襲を躊躇すると考えたのだろうか。ルーズベルト大統領は真珠湾が日本軍から攻撃を受けると直ちに宣戦布告して、キンメル司令長官をはじめとするハワイ方面の陸海軍高官をことごとく更迭してしまった。そして今、このロバーツ調査委員会に報告書を作らせて後世の歴史家たちを欺こうとしているのである」。

 外交とは「如何に相手の目をごまかし、身内の者までだますことが出来るか」だと言われるが、それを地で行ったのがルーズベルトである。ドイツのロケット弾攻撃に怯えるチャーチルの叫びにいち早く応えようとしたのであるが、それに便乗したのがソ連である。ハル・ノートの原文を書いたのはホワイト・ハウスに侵入したソ連のスパイであり、日露戦争のリベンジに燃えた高官であった。そのハル・ノートとは日本軍の満州および東南アジアからの撤退であり、すでに石油がストップさえられていた日本は身動き一つ出来ずにいた。実に悔やまれるのは、このハル・ノートをアメリカ市民に訴えていたら、彼らはルーズベルトに対する信頼を失っていただろうというアメリカ世論の力であった。

 パウロは、「ああ深いかな、神の知恵と知識との富は。そのさばきは窮めがたく、その道は測りがたい」(ローマ11:33)と語る。神の知恵は人類では図り知れないほどに何と豊かであることか。その神の知恵の極みが、主イエスの十字架による救いのみ業である。それは人を欺むくどころか、ご自分を犠牲にしてまでも、与えようとした神の愛であり、永遠に真実にして公平である。